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本日はトピックスに関して、ヒット呼び込む“現場の熱意”　朱川著『かたみ歌』が人気の理由のはなしです。



では、ここから本題。

ヒット呼び込む“現場の熱意”　朱川著『かたみ歌』が人気の理由
7月10日13時14分配信 産経新聞

『かたみ歌』朱川湊人著（新潮文庫・４６０円）（写真：産経新聞）

テリー・ケイさんの『白い犬とワルツを』、道尾秀介さんの『向日葵（ひまわり）の咲かない夏』など、書店の手書きＰＯＰ（販売促進広告）がヒットの火付け役になるケースが増えている。直木賞作家、朱川湊人（しゅかわ・みなと）さんの『かたみ歌』も、ＰＯＰをきっかけに１カ月で４回の増刷、追加７万部を発行した「書店発ベストセラー」。その裏側には、本の仕事をめぐる人の「思い」があった。

作品の舞台は東京の下町。古本に挟んだしおりに思いを込めた恋が数十年の時を超えて展開する「栞（しおり）の恋」など、昭和の「かたみ」が現代に起こす奇跡を描いた連作短編集だ。文庫は２年前の発売以来、初版部数のまま推移していたが、今年２月、仙台市の丸善仙台アエル店に「泣きじゃくりました。何度も、何度も。」などと書いたＰＯＰを設置したところ、評判を呼んだ。

ＰＯＰを書いたのは新潮社営業部の河井嘉史さん（３０）。入社１年目のころ、『小説新潮』編集部で作品の連載を担当していた。「自分が初めて一から書いてもらった作品で、朱川さんには本当にお世話になった。１年ですぐ営業に異動になってしまい、ずっと恩返ししたかった」と明かす。

増刷に当たっては帯に「涙腺崩壊。」とのコピーをつけ、「湊（みなと）かなえの後は朱川湊人！！」と、ベストセラー作家の名前と語呂を合わせたＰＲファクスを書店に流すなど工夫を徹底。２刷の増刷が決まった５月中旬、河井さんは「うわさ」を聞きつけた朱川さんから連絡を受けたといい、「とても喜んでくれて、本当に良かった」と感謝をにじませる。

「書店発ベストセラー」の仕掛けも定着してきたが、ヒットを呼び込む原動力は、工夫に加えて“現場の熱意”にあるのかもしれない。（新潮文庫・４６０円）（三品貴志）

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